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保育室を飛び出して!:屋外活動で体感する子どもの時間感覚

Tags: 時間感覚, 屋外活動, 散歩, 戸外遊び, 保育実践, 見通し, 活動の切り替え

屋外活動は、子どもたちが全身を使って自然と触れ合い、多様な学びを得る貴重な時間です。保育室内の活動とは異なり、周囲の環境や状況が常に変化するため、子どもたちは様々な感覚を研ぎ澄ませて活動しています。この屋外という特別な環境は、時計や視覚的な時間表示に頼りがちな保育室とは異なる形で、子どもたちの時間感覚を育む絶好の機会となり得ます。

屋外における時間感覚の特性

保育室では、壁にかかった時計やデジタルタイマー、活動の順番を示す絵カードなど、時間を「見える化」する様々なツールを活用できます。しかし、園庭や公園、散歩中では、これらのツールを常に使うことは現実的ではありません。屋外では、子どもたちはより感覚的、身体的に時間の経過を捉える傾向があります。

これらの感覚は、抽象的な時刻や時間単位の理解よりも、子どもたちの内的な時間感覚や、特定の活動にかかる時間の「体感」を育む上で非常に重要です。

屋外活動で時間感覚を育む実践的なヒント

屋外での時間感覚の育み方は、子どもの発達段階や活動内容によって工夫が必要です。ここでは、年齢別の具体的なアプローチと、共通して活用できるヒントをご紹介します。

乳児(0歳~2歳)

この時期の子どもは、抽象的な時間は理解できません。保育者の声かけや体のリズム、身の回りの具体的な変化を通して、活動の始まりや終わり、次の行動への見通しを感じ取ります。

幼児(3歳~5歳)

具体的な目標設定や、活動内容と時間の関係性を意識した声かけが有効になります。時間の見通しを持つことで、遊びへの集中力を高めたり、活動の切り替えをスムーズにしたりすることを目指します。

年齢共通のヒント

集団での活用

屋外活動は集団で行うことが多いため、「みんなで同じ時間、同じ目標を共有する」経験を通して、社会性と時間感覚を同時に育むことができます。

保護者へのアドバイス例

園での取り組みを家庭と共有し、連携することで、子どもたちの時間感覚はより豊かに育まれます。屋外活動における家庭でのアドバイス例を伝えてみましょう。

まとめ

保育室の外、広々とした空間での活動は、子どもたちが五感を使い、体全体で時間を体感する貴重な機会です。時計に頼るだけでなく、自然の変化や身体感覚、活動の内容と結びつけて時間を捉える経験は、子どもたちの多様な時間感覚を育みます。年齢や活動内容に合わせた声かけや工夫を取り入れることで、子どもたちは屋外でも時間の見通しを持ち、遊びへの集中やスムーズな活動の切り替えができるようになります。屋外という解放的な環境での時間感覚の学びは、子どもたちの心身の成長を豊かに支えていくことでしょう。