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子どもと「時間の記録」をつけてみよう:出来事や活動で育む過去と未来への見通し

Tags: 時間感覚, 保育実践, 活動記録, 見通し, 遊び

子どもと「時間の記録」をつけてみよう:出来事や活動で育む過去と未来への見通し

子どもたちが時間の感覚を身につける過程において、「記録」することは非常に有効なアプローチの一つです。単に時計を読むだけでなく、具体的な出来事や活動と時間を結びつけ、過去を振り返り、未来を見通す力を育むことにつながります。ここでは、保育現場で実践できる「時間の記録」を取り入れた活動のヒントをご紹介します。

「時間の記録」が子どもの時間感覚に役立つ理由

子どもにとって時間は抽象的な概念です。漠然とした時間の流れを捉えることは難しいため、特定の出来事や活動、その「長さ」や「いつ」を具体的に記録することで、時間の感覚がより確かなものになります。

これらの経験は、活動の見通しを持つことや、主体的な行動、自己調整能力の基礎を育むことにもつながります。

1.時間の長さを記録する遊び・活動

特定の活動にかかる時間を計測し、子どもと一緒に記録してみましょう。計測には砂時計、タイマー、ストップウォッチなどが活用できます。

【年齢別のヒント】 * 乳児(0・1歳児): 活動の時間を計測しても、子ども自身が数字や長さとして理解するのは難しい段階です。保育士が時間を意識しながら関わり、「今から〇分、このおもちゃで遊ぼうね」「お片付けは〇分で終わらせようね」などと具体的に声かけます。後で記録を見せることで、保育士が時間を意識していることを伝えることができます。 * 幼児(2歳児~): 砂時計や簡単なタイマーの使い方を教え、自分で活動の時間を計ってみる経験を取り入れられます。記録は、最初は保育士が代筆したり、シールを貼るなど簡単な方法から始め、徐々に絵や数字での記録に挑戦できるようにサポートします。

2.出来事の時間を記録し振り返る活動

一日の流れや特定の出来事を記録することは、時間軸を意識する上で有効です。

【保護者への共有ヒント】 連絡帳やクラスだよりで、園で行っている「時間の記録」活動について紹介し、家庭でも例えば週末の楽しかった出来事を絵や写真で記録してみるなど、時間と出来事を結びつける関わりを提案してみましょう。

3.記録を通して見通しと計画につなげる

過去の記録は、未来の活動への見通しや簡単な計画を立てるための大切な手がかりになります。

まとめ

「時間の記録」を取り入れた活動は、子どもたちが時間という抽象的な概念を、具体的な出来事や活動と結びつけて理解するための有効な手段です。活動にかかる時間、出来事の「いつ」、過去の振り返り、未来への見通しといった様々な側面から、子どもたちの時間感覚を豊かに育むことができます。

今日からぜひ、子どもたちの日常の中に「時間の記録」を取り入れてみてください。子どもたちの成長段階や興味に合わせて、記録方法や活動内容を工夫することで、楽しく自然に時間感覚を身につける機会を提供できるでしょう。